歯科医療従事者(歯科医や歯科衛生士など)として、患者さんに興味を持ってもらえるような指導ができるようになるためには、常に勉強を続ける必要があります。分厚い成書だけでなく簡素なレーフレットなどに目を通すようにする癖をつけるようにしたいものです。すなわち、「勉強する姿勢」を身に付けると云うことです。
専門書だけでなく、異分野の書やセミナーに参加したりと一歩一歩進めて行きましょう。興味を持って自ら行動していけば、患者さんにもその熱意は伝わり、良い指導につながります。セミナーや講習会に参加することは、自分の学びを深める一つの手段であり、参加する際には、自分の目標となる「憧れの先輩」を見つけるような気持ちで行くことをお勧めします。「憧れの先輩」が見つかったら、その人の講演する講習会を何回でも聴きに行き、その考えを自分のものとして話が出来るくらいになりましょう。
それは最初は「物真似」かもしれませんが、そこから自分が感じた疑問などを調べるうちに、次第に自分の考えになっていきます。ただし、「物真似」だけで終わりにして、わかった気にならないように注意が必要です。様々なセミナーに参加したことで、医院外でネットワークが出来れば、勉強だけでなく大きなメリットを得ることになり、共に切切磋琢磨できる仲間も作れることでしょう。
歯科医院で働いているスタッフの方々は、幾つかの業務に分かれて働いていることが多いと思います。歯科医師を中心として、歯科衛生士、歯科助手、受付と云う構成が一般的と思います。有能な歯科助手は歯科衛生士に迫るものがありますが、国家資格の有無で当然そこには線引きがされてしまいます。
そのような有能な歯科助手は、時としては歯科衛生士のアシスタントとしても能力を発揮してくれたり、受付と診療室内との連絡役を担ってくれます。もちろん、歯科助手の方はブラッシング指導を患者さんに行うことは、出来ませんが、緊張している患者さんをリラックスさせたり、器具類の準備の間に心配事を聞いてあげたりと、ちょっとした気遣いをお願いされることもあるのではないでしょうか。
患者さん側からすると「歯科助手」も「歯科衛生士」も区別がすぐにつかない場合も多く、歯ブラシ選び(購入時など)に歯科助手の方や受付の方に、どのはブラシがいいかお尋ねをしている方も見受けられますが、だいたいの場合、歯ブラシには番号が付いていたり、アルファベットと数字の組み合わせで識別できるようになっていて誰でも簡単に識別可能になっています。
カルテもしくは、されに付帯するブラッシング記録などにその記載があるので、スタッフ側での確認も容易となっているのが一般的です。歯科助手の方が受付を兼務している歯科医院も多くありますが、一日の予約状況と治療内容の兼ね合いを、即座に配分できる点では有効な兼務と言えると思います。
歯科医師も人間ですから、同じ治療内容の患者さんの連続は疲労の大きな元になりますし、ただでさえ細かい作業が主ですので、その疲労から思わぬアクシデントが発生することも考えられます。治療行為に対しては、その歯科医師に全責任がありますが、治療効率や疲労軽減などの面からは、治療内容の「分散」は、受付において大事な業務の一つと考えます。
患者さんの皆さんは、なるべくなら早く治療を完了させたいとお考えになると思いますが、このような治療の分散から時には次回の治療まで、間があくこともありますのでご理解きたいと思います。今回はタイトルから少し外れた内容になってしまいましたが、ブラシング指導や歯ブラシに関する話には、必ず歯科衛生士が登場し、歯科助手の存在が語られる時はかなり少ないと思います。
しかしながら、その役割は多肢にわたることが多く、歯科医院内での調整役的なポジションではないでしょうか。国家資格こそありませんが、歯科医師会監修の講習会や民間の専門学校を卒業後に、「修了証書」が発行されれ、即戦力として歯科医院での貢献に期待するところは大きいと言えます。